名古屋手形交換所の歴史令和4年11月4日、全国銀行協会の運営する電子交換所が交換決済を開始し、全国各地の手形交換所は業務を終了しました。 |
手形交換の意義
手形交換とは、一定の地域内に所在する複数の金融機関が、日々の営業活動を通じて受け入れた他行払いの手形・小切手等の証券類を、特定の場所および時間に持参し、これらを相互に交換し、その差額を迅速に決済する制度です。
もしこの制度がなく、金融機関が取引先から入金や取立依頼により受け入れた手形・小切手類を、支払場所として指定された金融機関の本支店に個別に取立を行うとすれば、非常に多くの人員と時間を費やし、また多額の現金携帯による危険を伴うことになり、更に取立を受ける金融機関側においても、何時取立を受けるかわからない場合に備えて巨額の支払準備金を常時保有しなければならなくなります。手形交換は、このような不便・不経済を解消させ、金融機関相互の円滑な取立および支払を可能にするものであり、その存在は金融ならびに経済活動における重要な役割を果たしていました。
手形交換所の大多数は、銀行協会等の金融機関団体により運営されていました。
手形交換所の起源
1773年頃イギリスのロンドンに設けられたのが世界における最古の手形交換所と言われており、以来各国の主要都市に順次設立されました。我が国では、明治12年(1879年)12月、大阪に設置されたのが最も古く、次いで明治20年東京に設置され、その後、小切手・手形の流通量の増加に併せて全国各地に広がっていき、名古屋には明治35年9月に設置されました。
名古屋手形交換所の業務終了
名古屋手形交換所は、長年に亘って地域の決済インフラとして重要な役割を果たしてきましたが、全国銀行協会の運営する電子交換所が交換決済を開始することに伴い、令和4年11月2日の交換決済をもって業務を終了することとなりました。
※過去の名古屋手形交換所手形交換枚数・金額はーー→こちら
名古屋手形交換所の沿革
明治35年9月 | 名古屋銀行集会所内に名古屋交換所を設置 |
大正8年3月 | 名古屋手形交換所と改称 |
昭和20年6月 | 戦時下の緊急対策として交換業務を日本銀行名古屋支店に移譲 |
昭和21年1月 | 名古屋銀行協会が交換業務を日本銀行名古屋支店から継承 |
平成元年4月 | 名古屋手形交換所が愛知県内唯一の手形交換所(法務大臣指定)となる |
令和4年11月 | 名古屋手形交換所の業務終了 |
名古屋手形交換所業務終了時の交換参加地域及び交換参加金融機関数
名古屋手形交換所の交換参加地域は、愛知県一円と岐阜県各務原市の一部で、同地域に本支店を有する銀行、信用金庫、信用組合・農業協同組合等金融機関91行が、参加していました。
<手形交換作業の模様>
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