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銀行とりひき相談所

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金融用語の解説

金融機関で使用されている専門的な用語や一般の方にわかりづらい用語について解説しています。



1.現金・預金・為替に関する用語

円貨両替

□両替には円貨と外貨があり、ここでは円貨について説明します。
多くの金融機関では円貨両替に以下が該当します。
・同一金種への両替(例えば千円札から千円新券への両替)
・異なる金種への両替(例えば千円札1枚から100円硬貨10枚への両替)
□また、以下の両替時に手数料がかかる場合があります。
・取引のない銀行での両替
・取引がある銀行であっても一定の枚数を超えた場合  

   ※取引の有無は、通帳、キャッシャカードを提示する。
□両替で手数料がかかる基準
・取引がない銀行は1枚でも手数料がかかる。
・取引がある銀行では10枚までは無料のところが多い。
・手数料がかかる基準となる枚数の数え方で両替機と窓口で異なっている。
 両替機:両替後の枚数
 窓口:両替前、両替後どちらか多い枚数
・手数料が無料となるのは1日1回のみ(2回目に基準枚数以下の両替を依頼しても無料にはならない)
□両替ではないものの、窓口での現金支払い時に以下のような依頼をされた場合、手数料がかかる銀行が増えてきており、その場合、銀行によって両替と同じ扱いをするケースと別途「窓口現金整理手数料」等として両替とは別の手数料がかかるケースがあります。
・一定の枚数を超える新券での支払い(例えば50万円の支払いに対し、全部新券1万円札を指定)
・金種ごとに一定の枚数を超える枚数を指定した支払い(例えば50万円の支払いに対し、うち10万円分は千円札(100枚)を指定)
★上記のような両替等の手数料がかかる基準については、各銀行のホームページに掲載されているのでご確認をお願いします。

有高(ありだか)入金

□お客様が大量の小銭を金融機関に持ち込んで、窓口でいくらあるか数えてもらい、その金額を入金することを「有高(ありだか)入金」と言います。

□各金融機関は原則として、入金する金額はお客様が伝票に記入して窓口に持ち込んでいただくことになっていますが、小売店や賽銭など大量の小銭を入金する必要がある場合、お客様側で1枚ずつ数えるのが困難なため、慣行として有高入金が行われてきた経緯があります。

□金融機関店舗の少人数化などで、こうした有高入金をお断りする金融機関が増えてきています

□なお、これまで窓口で手数料を払っているので数えてもらうのも当然ではないかとのご意見もいただきますが、この手数料は「大量硬貨取扱手数料」や「窓口現金整理手数料」と言われるもので、入金する小銭・紙幣の枚数によってかかる手数料を指しており、数えることまではサービスに含まれていません。(例えば100枚までの入金は手数料無料であるが101枚以上500枚までは550円かかるなど )

          ATMの利用限度額★ATMの利用限度額は各金融機関によって異なっておりますので、具体的な金額は必ず当該金融機関に確認してくださいここでは主な傾向をお示しします。
・ATMの利用限度額は大きく分けて次の2つのケースがあり、それぞれキャッシュカードの種類によってその利用限度額は異なっています。
□現金引き出し
・多くの金融機関はキャッシュカードが磁気ストライプ型やICチップ型の場合、限度額は50万円となっています。以前はICチップ型については100万円のように磁気ストライプ型より高額な限度額になっていましたが、最近の金融犯罪増加に呼応して引き下げられているところが多いです。
・一方指紋や手の掌紋などで本人確認を行う生体認証型カードは、信頼性が高いため150~200万円の引き出しができるようになっているところが多いです。
□振込
・限度額が振込単独で限度額が設定されているケースと、上記現金引き出しと振込を合算して限度額を設定されているケースに分かれています。現金引き出しの限度額と同様に最近引き下げしている金融機関が多く、200万円を下回る限度額にしているところが多く見受けられます。
□高齢者のATM利用限度額制限
・最近ATMを利用した振り込め詐欺や引き出した現金を犯人に渡す犯罪が増加しているため、未然防止を図るために全国の警察は所轄の金融機関に対して、高齢者(多くの金融機関は70歳以上を指している)のATM利用限度額の引き下げや利用の制限を要請しています。一例として70歳以上で過去3年間振込実績がない高齢者についてはATMで振り込みができない金融機関もあります。(ただし、こうした利用制限は本人が窓口で必要な手続きを取れば一般の利用基準に戻すことができる場合があります)

未利用口座管理手数料

□残高がほとんどなく長期間未利用の口座は不正や犯罪に利用されやすく、また金融機関にとっても維持管理コストがかかることから、未利用口座を減らすために多くの金融機関で未利用口座管理手数料の受け入れを行っています。
□一般的な未利用口座管理手数料の取扱いについて説明します。
①対象となる口座:「2年以上一度もお預入れまたはお引出しがない普通預金」
➁ただし、上記のような長期間未利用であっても下記条件のいずれかに該当すれば手数料がかからないことがあります。
・残高が1万円以上
・他の預かり金融資産(定期預金、外貨預金、投資信託等)が1円以上ある場合
・お借り入れがある場合
③長期未利用となった時点で当該銀行より郵送、Eメールその他所定の方法で事前に通知がある。(注1)
④事前通知後約3か月の間にご利用がない場合、当該口座から未利用口座管理手数料(1,100~1,320円程度)が引き落とされる。
⑤引き落とし時の残高が未利用口座管理手数料未満の場合は、その時点の残高をもって未利用口座管理手数料の一部として引き落としの上、同口座が自動的に解約される。(残高ゼロの場合も解約される)
(注1)各金融機関ともホームページに「事前の通知が延着しまたは到達しなかった時でも通常到達すべき時に到達したものとみなす」等と掲出しているため、通知物の誤配などにより、未利用口座管理手数料が発生することにお客さまが気付かなかったとしても、通知物未着を理由に手数料の返戻を申し出ることは難しいと思われます。したがって、利用しない口座はお客さまご自身で早めに解約することをお勧めします。
★未利用口座管理手数料がかかる基準・金額については、各金融機関によって若干の差異がありますので個別にホームページでご確認をお願いします。

2.運用に関する用語

              確定拠出年金

確定拠出年金(DC)は老後の資金を自分で運用する制度です。企業型と個人型の2種類があります。

□確定拠出年金(DC)の概要

・確定拠出年金(DC)とは、銀行などの運営管理機関が提示する金融商品を加入者が選択し、月々の拠出金を運用していくことで、将来受給する年金を確保していく仕組みです。

・少子高齢化や高齢期の生活の多様化など、社会経済情勢の変化を背景に、これまでの年金制度を補完するために2002年から導入されました。

・将来の年金制度との大きな違いは年金受給額が人によって異なることです。年金資金運用のプラン・コースを自分で選択、指図します。これまでの企業年金と違い、転職の際にも移管が可能ですが、年金資金の運用結果は加入者自身の自己責任となります。

 確定拠出年金にある企業型と個人型の違い

・確定拠出年金(DC)には、企業型と個人型(愛称「iDeCo(イデコ)」)があります。

・企業型では加入できるのが「労使合意に基づき確定拠出年金制度を実施する企業の従業員」、掛け金の支払いは「会社からの拠出に加え、規約に定めれば、個人からの拠出も可能」となっています。

・一方、掛け金を個人が拠出する個人型の加入対象は、2016年までは自営業者や企業年金のない会社員などに限られていましたが、現在は企業年金のある会社員(※)や公務員、専業主婦まで拡大されています。掛け金の支払いは、原則として個人からの拠出のみとなりますが、2018年5月から従業員数100人以下の企業を対象に個人型DCに加入している従業員に対し、事業主が追加で掛金拠出を可能とする中小事業主掛金納付制度が始まりました。

拠出できる限度額は2024年12月に改正があり次のようになりました。企業型は「月額55,000円から企業年金等の他制度掛け金相当額を控除した額」(企業年金あり)と55,000円(企業年金なし)です(経過措置あり)。また、個人型は会社員が20,000円(企業年金あり)もしくは23,000円(企業年金なし)、公務員が20,000円、自営業者などが68,000円、専業主婦が23,000円となります。

※原則として企業年金制度がありさらに企業型DCを導入している企業は、掛け金を一定以下にする規約変更をしないと、勤務する社員は個人型DCを利用できません。

★詳しくは、国民年金基金連合会iDeCo公式サイト、またはお取引金融機関にご相談ください。

信託

□信託とは財産を所有する人(委託者)が、信頼できる人(受託者)に財産の管理や運用を任せる法的な制度です。

□具体的には資産を保有している本人(委託者)は、信託契約や遺言などによって、信託銀行(受託者)に財産を信託の目的に従って運用・管理してもらい、本人・家族(受益者)がメリットを受けることになります。

□資産を保有している本人が認知症などにより判断能力が低下した場合や体が不自由なため外出できないなどの場合、本人に代わって家族が本人の口座から本人の生活費や治療費など払い出ししたいケースが予想されますが、こうした場合でも原則金融機関は本人以外の払い出しの依頼を認めません。こうした場合に備え、本人が意思能力があるうちに信託銀行(受託者)と、家族からの求めがあればあらかじめ定められた条件に従って支払いできる機能が付随された信託契約をしておくことで、万一の場合にもスムーズに対応できます。

□親の口座から子が払い出しを行いたい場合には「成年後見制度」を利用するケースが多いですが、司法書士、弁護士を通じて家庭裁判所へ申立てを行う必要があり、その後の後見人への報酬等費用も手間もかかることから信託を利用する価値は大きいと言えます。

★信託契約の詳細な手続きについては、信託銀行にご確認をお願いします。


3.外国為替に関する用語

               被仕向送金

□金融機関内で使用される用語として、海外銀行からの送金のことを被仕向送金といい、広い意味では外貨小切手も含まれます。

□最近のマネーロンダリング強化の流れを受け、被仕向送金の受取口座に入金する際には、当該金融機関よりその資金使途と送金目的等を求められます。確認が十分できない場合は送金元へ返金されるケースもあります。

□現在国内で外貨小切手の取立を受付している金融機関はほとんどないため、海外銀行から資金を受け取る際は外貨小切手ではなく送金ベースとするのが望ましいです。

□資金決済に関する法律により、銀行等以外の者であっても資金移動業者として金融庁の登録を受けることにより、為替取引業務を行うことができることになっており、国内間送金だけでなく、海外送金・被仕向送金を取り扱っている業者もあります。銀行より手数料が安い分、送金額の上限や利用者保護の仕組みに違いがあるので十分検討の上利用することが必要です。(詳細は一般社団法人日本資金決済業協会ホームページをご参照ください)


4.制度などに関する用語

預金保険制度

□預金保険制度とは、金融機関が預金等の払い戻しができなくなった場合等に、お客様の預金等の確保を図ることによって、信用秩序の維持することを目的とする制度です。預金保険制度は、「預金保険法」により定められており、政府・日本銀行・民間金融機関の出資により設立された預金保険機構が制度の運営主体となっています。

□金融機関が破綻したときに預金保険で保護される預金の種類は普通預金、定期預金などがあり、外貨預金は対象になりません。

□保護される額は1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1,000万円までとそのお利息等となっています。

□保護される金融機関は預金保険機構に加盟しているところが対象となり、具体的には、日本国内に本店のある銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、信金中央金庫、全国信用協同組合連合会、労働金庫連合会、商工組合中央金庫です。ただし、これらの金融機関でも、海外の支店は、預金保険の対象外です。また、外国銀行の在日支店も対象外です。(例:ブラジル銀行東京支店→本店はブラジルにあり日本にはない)一方、日本国内に本店のある金融機関であれば、外国金融機関の子会社(外国金融機関の本邦法人)であっても、対象となります。(例:SBJ銀行→韓国の銀行「新韓銀行」の子会社であるが本店が東京にある)

★直近時点での預金保険の対象金融機関のリストは、預金保険機構のホームページの「対象金融機関」をご確認ください。 

金融ADR

□ADRとは、Alternative(代替の) Dispute(紛争) Resolution(解決)の頭文字をとったもので、金融ADR制度は、金融サービス利用者と金融機関間のトラブル(紛争)について、裁判所での訴訟に代わり、あっせん・調停・仲裁などの当事者合意に基づき解決を図る制度です。

□金融ADRは銀行、信用金庫、生命保険などの各業態ごとに設置されており、銀行については東京にある全国銀行協会内に設置されている「あっせん委員会」がその対応を行っています。

□「あっせん委員会」ではお客さまからの申立て(銀行とのトラブル事案の解決依頼)を受理するかどうか判断します。

□申立てを受理した場合、お客様と銀行の双方から資料等の提出を受けたうえで、事情をお聞きし解決のためのあっせん(和解)案を提示しますが、あっせん成立の見込みがないと「あっせん委員会」が判断した場合は紛争解決手続きを打ち切ることがあります。

★詳しくは全国銀行協会あっせん委員会ホームページをご確認ください。

個人信用情報センター

□「個人信用情報センター」は個人のローンやクレジットカード等の契約内容とその返済状況(入金の有無、延滞、代位弁済・強制回収等の事実を含む)の履歴を登録し、金融機関やクレジットカード会社など会員からの照会に情報提供を行う組織です。ご自身の登録情報を調べたい場合は、東京にある全国銀行協会が行っており、全国からの照会を一元的に受け付けています。(名古屋や大阪など地方の銀行協会では取り扱っておりません)

□同センターに登録されている個人信用情報の登録期間は契約期間中及び契約終了日(完済されている場合は完済日)から5年を超えない期間です。

□同センターに登録されている情報の開示申し込みは、インターネットまたは郵送で受け付けています。(窓口での開示は行っていません)

★詳しくは全国銀行個人信用情報センターホームページをご確認ください。

金融機関取引における犯罪被害 への補償・財産回復について

金融機関取引において犯罪被害に遭われた際、法律によりその被害を銀行が補償・財産回復できる場合があり、大きく分けて次の4つのケースとなります。

<預金者保護法によるもの>

1.盗難通帳による預金等の不正払戻しへの対応
2.インターネット・バンキングによる預金等の不正払戻しへの対応
3.偽造・盗難キャッシュカードによる預金等の不正払戻しへの対応
<振り込め詐欺救済法によるもの>
4.振り込め詐欺等の被害にあわれた方への対応
□いずれのケースも被害が発覚した時点ですみやかに金融機関(1~3は被害にあったご自身の口座がある金融機関、4は振込先金融機関)と警察に連絡してください。(1~3については被害発生日から30日以内に金融機関に通知がなかった場合は補償されません)
□1~3については、預金者に全く落ち度がない(無過失という)場合は100%補償されますが、通帳と印鑑を他人の目につくところに放置していたり、それらを一緒に保管していた場合や他人に通帳を渡した、暗証番号を教えていたなど、預金者に落ち度がある場合は補償されない場合もあります。
いずれのケースも金融機関は、預金者からの書面・資料の提示などの形式要件だけでなく、被害に遭われた状況等、実態を十分調査・確認の上、補償の可否について判断します。
□4は補償ではなく、誤って振り込んでしまった資金を振込先の口座から取り戻して、預金者の財産回復を図るものです。
一般的に犯人は詐取した資金を直ちに引き出していることが多く、仮に取り戻すことができたとしても被害に遭われた方が多数いた場合、被害額の割合に応じて分配する方法をとるため、100%の財産回復は困難です。

5.その他参考

カスタマーハラスメント

□カスタマーハラスメントとは「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」と定義されています。(厚生労働省ホームページ
□最近こうしたお客様の行動は社会問題化しており、厚生労働省は2024年12月、「カスタマーハラスメント(カスハラ)」防止策を企業に義務づける方針を決定し、労働施策総合推進法(パワハラ防止法)の改正案を2025年通常国会に提出することを決めました。自治体による防止条例も東京都が2025年4月より施行など全国的に拡大しています。
□こうした動きを受けて
金融業界も含めサービス業の多くの企業でカスタマーハラスメント対応ポリシーを定め、広く情宣し、万一カスタマーハラスメントと企業側が認識した場合は毅然とした対応をとる(以降の対応はお断りする)ことを明確にしています。
□一方でお客様の利益保証・顧客保護の観点からお客様のご要望を簡単にお断りすることは問題であり、両者の調整を図ることが重要です。
□カスタマーハラスメントになる具体例として次のような行動が一般的に想定されています。
暴行、傷害、脅迫、名誉棄損、暴言、威圧的言動、執拗な言動、差別的・性的言動、従業員個人への攻撃・要求、携帯電話等による写真・映像撮影、音声録音、こうした写真等や誹謗中傷のSNSへの投稿など

合併

□合併とは、2つ以上の会社が1つの会社になる組織法上の行為です。企業の範囲を拡大したり、新しい分野に進出したり、市場シェアを獲得することを目的として行われます。金融業界ではいわゆる金融危機と言われた1990年代から2000年代にかけてメガバンクを中心に合併が行われましたが、最近では地方の経済力低下などを背景に地方金融機関どうしも合併が行われています。

□合併により吸収される側の金融機関はその金融機関名・金融機関コードが変更になりますが、一般的に合併後3か月間など一定期間は金融機関で読み替え期間が設けられており、金融活動に支障がないよう配慮しているところが多いです。しかしながら、当該期間終了後は「該当なし」となって処理ができなくなってしまうので、早めにお客様ご自身で金融機関名・金融機関コードの変更手続きを行っておく(関係先へ周知させる)ことが重要です。なお、国民年金等の振込、公共料金等各種自動引き落とし等は、銀行側で対応し変更手続きが不要な場合もあります。
★合併は当事者である金融機関にとって一大イベントになりますので、相当前から告知を行っています。もし合併の通知が来たら、ご自身の口座はどうなるか、お取引金融機関へ十分確認をお願いします。






よくあるご相談(FAQ)